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第4章 旗・横断幕・立看・プラカード

実践から生まれた使い分け

立看板−学生運動の武器

 タテカンはその材質の為に機動性に薄く、したがって使用場所はほとんど学園内に限られてきた。ところで我々の学生運動、とりわけ自治会運動の経験は共産党・民青に及ばない。立看製作のような技術面では彼らに学ぶところすこぶる大である。では、民青はどのように立て看を使い分けているか。
@オバケ立看
 ベニヤ4〜5枚の板を縦にして立て、何枚も並べる。自治会執行部の「構え」を伝える。
Aアジカン
 立看の主な使命である「行動提起」をひと目で知らせるもの。斬新奇抜であること!
B文字看・壁新聞
 マジックインキなどでビラと同じように展開する。政策の基本展開・緊急声明などを内容とし、学生のたまりやすい場所に置く。
Cクラス立看
 クラス決議・有志決議などをベニヤ2枚に書き出し、闘いを下からつくり出してゆく。
D闘争ニュース
 統一行動や学生大会前に出し、「○○大学スト決定!××大学学長団交1000名結集!」等という具合に全国統一の闘いであることを知らせ、ムードを盛り上げる。
Eスケジュール立看
 闘争スケジュールをイメージ豊かな展開し行動への決起をうながす。
Fその他
 写真パネル、窓張り看板、ステ看など。

横断幕・旗−行動性を発揮

 立て看が機動性に薄く闘いへの呼びかけと結果報告とを中心的役割として引き受けるのに対し、横断幕やのぼり旗などはデモのような行動性あふれる闘いの中で大きな力を発揮する。旗の使用に最も力を集中しているのは我々の見るところ中核派であろう。いまだに横断幕に墨汁を使用するなどの技術面での遅れはあるが、旗の製作は極めて組織的に行なわれている。彼らのこうした点を学びつつ、とりわけデモにおいて使用される宣伝資材を我々は以下のように分類した。
@横断幕
 デモの目的を告げ知られるものであり、1本の横断幕に1つのスローガンが適当。布幅は少なくとも広幅(ヤール幅よりも広くて130pくらいある)を使おう。長さは3.5mくらいがデモ行進には適当。
Aのぼり旗
 いくつかのスローガンを系統的にまとめ、我々の政治姿勢を集会参加者に伝える上で欠かせないもの。したがって党派名・グループ名は、かならず目立つように入れること。
Bプラカード
 プラカードは闘いの参加者一人ひとりが創意性を発揮する。個性あふれた闘いの武器。漫画、似顔絵、ふきだしたくなるような愉快な言葉やヒモを引くと動くシカケ等、楽しい工夫で闘いを創り出してゆく。
Cゼッケン
 同じ形態とスローガンで統一されたゼッケンをつけて闘いに登場しよう。統一ゼッケンは強固な団結力と単一の意志を表明する。シルク印刷(前出)で比較的簡単につくれるので活用しよう(インキは水性クロスカラーを使用)。
D戦闘旗
 三里塚闘争のような実力闘争において戦闘旗は敵を威圧し我々の覇気を高める上での重要な要素のひとつである。大量で統一性を持っている必要がある。
Eイラストのぼり
 視覚的な宣伝は見る者に直接的に極めて強い印象を残す。欧米では盛んに使われており、我々も「ベトナム・インドシナ連帯委員会」の旗等で経験している。
Fオバケのぼり
 2・5第四インター中央政治集会のために我々が開発したもので、立看の持つ兼ね備えた宣伝材として統一規格で8枚製作された。
横断幕の効果的な使用例(特別付録に展示)

使用例(写真)および製作例(設計図)を「特別付録」のに展示しています
立て看・横断幕製作のコツ

立て看製作にあたっての注意

@ベニヤ四枚が基準。
 市販の角材一本の長さは、ベニヤ4枚に等しいので作り易い。
A保存に注意しよう。
 壊れたらすぐ直し、雨にさらされぬ様にして立てかけておけば3年は使える。貴重な財産なのだ、大切にしよう。

トロツキー暗殺50周年シンポジウム。イラスト拡大の作例。壇上はトロツキーの孫ボルコフ氏

美しい横断幕をつくろう

@面倒がらず、必ず下書きをする。
 定規や真っ直ぐな角材などを用いて鉛筆などで枠をとり、次にレタリングテキストなどを参考にして下書きをすることを心がけよう! これは横断幕に限らず、立看でも同じこと。
A適材適所――染料、ペイント、豆汁
 効果的な宣伝の為には良い材料を選ぶ事がカンジン! 雨で墨汁がにじんで文字の読めなくなった横断幕をぶらさげてデモをするのは大衆に対する誠意のない態度。
 ゼッケン制作に用いたインクはスクリーンプリント(前出)専用の捺染染料であり、水にも落ちないし、ペンキのように布がガサつくこともないので横断幕によい。
 また、豆腐屋などで手に入る豆汁(ごじる)も、横断幕の製作には有用である。豆汁はかわくと空気中の二酸化炭素を吸収して耐水性となるので、ポスターカラーに混ぜて書けば、ある程度の雨にも持ちこたえる。
 水性ペイントはシンナーペイントよりも扱いが簡単であるから立て看やプラカードなどに使おう。
B旗・横断幕等の保存
 闘争の都度、宣伝材を雑然と仕立て、一回限りの使用の後にこれを使い捨てる、という極めて不経済且つ不誠実な風習が我々の間にはびこっている。「どうせ使い捨てだ」という気持が宣伝材の丁寧な制作をさまたげ、それがまた「使い捨て」につながる。悪循環である。
 宣伝資材に投入された資金は大衆の貴重なカンパであることを忘れず、長期保存の工夫を心がけるようにしよう!

イラスト拡大の方法

 元の小さな原稿に方眼を引いておき、拡大率に応じて横断幕にも方眼を書きこむ。そうしてそれぞれ対応する方眼ごとにイラストを書き込んでゆく。いうまでもなく、方眼が細かい程、イラストは正確になる。

「青年戦線」第5・6合併号表紙

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