「宣伝と扇動が明瞭であることが基本条件である。われわれが扇動と宣伝を展開するうえで奇跡をなしとげた、とわれわれの敵は言いもし、認めもしたが、このことは、われわれのあいだには多数の扇動者がいたし、多くの紙がつかわれたというように、外面的に理解すべきではなく、この扇動のなかにあった真理が万人の頭脳にしみとおったのだというように、内面的に理解すべきである。そして、この真理から目をそむけることはできないのである。……」(ロシア共産党第9回大会・中央委員会報告より――1920年3月29日)
このレーニンの言葉をまつまでもなく、宣伝・扇動活動において何よりも重要なのは、扇動すべき内容のもつ真理=科学的な正しさである。これは主体の側から言うならば、共産主義的未来に対する不動の信念とこれに裏づけられた意識性――「獲得しよう」とする意識性である。有能な活動家を獲得し、労働者大衆を獲得し、そうして労農階級の未来を我々が獲得するのだという意識性がなければ、どんなに素晴らしい宣伝手段も意味をもたないだろう。宣伝・扇動とはつまり「獲得しよう」とする内面的意識を外面的に表現する為の手段なのである。
したがって宣伝・扇動を最も効果あるものとするためには、まえがきにも述べた次のような作風を我々の間にうちたてねばならない。 |