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宣伝戦の勝利をめざす活動家のための技術書
1977年10月発行/編集・日本共産青年同盟宣伝戦線編集委員会/発行・新時代社
まえがき

 全国の共青同・第四インターの同志達へ。又、日夜反帝闘争を担っておられる友人諸君へこの書を贈るものである。
 周知のように、レーニンは宣伝・扇動を労働者階級の前衛党にとって極めて重要な政治活動として位置づけ、原則的で首尾一貫した全国的な宣伝・扇動、政治的暴露等の活動の重要性を多くの文書において指摘している。第四インターはこの教えに従い教宣活動の強化、とりわけ全国政治新聞「世界革命」の充実・拡大を訴えてきただろう。この要請に応え、我が同盟と第四インターの飛躍を保証する道は何か? それは同盟員一人一人の確信と決意にある。然り! マルクス主義の文献を広く読み自らの科学的確信と決意を深めることなしに組織建設は不可能であるだろう。
 だが他方、宣伝・扇動活動におけるもう一方の重要な側面での我々のたちおくれについても指摘されなくてはならないだろう――すなわち、「宣伝技術」の分野について、である。
 高度に発達した日本資本主義は、自らの財力と国家機関とを通じ極めて大量で豊富な反共宣伝をほしいままにしてきた。すなわち、新聞、雑誌、放送機関のみならず、教育、文化、芸術の各分野を含めて、ブルジョアジーの流す「思想的」害毒が日常の我々の生活の中にまで充満している有様である。
 他方、これに対抗する労働戦線の側の宣伝機関はどうか。組合主義と選挙活動のワク内へ労働者大衆を押し止めようとする社民、スターリニスト。とりわけ共産党の宣伝活動は、日本機関紙協会などの活動の姿勢に見られるように、宣伝手段の開発への意識的努力の結果として、量的・技術的にすこぶる多大な成果を蓄積している。
 こうした中にあって、ブルジョアジーの宣伝力を圧倒し、スターリニスト、中間主義諸潮流との宣伝・扇動戦に勝利して暴力革命の思想で武装された労農大衆の獲得を成しとげ得る政治勢力が我々しかないのだとすれば、このことは我々に「宣伝技術」についての研究・開発の必要性を教えているのではあるまいか。すなわち、「我々の持てる力量でどこまで技術を獲得できるのか?」「我々の持てる技術をどこまで効果的に活用し得るのか?」
 同志諸君! 以上の要請に応えきる為に我々は次のような作風を持たなくてはいけない。
 まだ第一に、全国の同志諸君が「個人的に」持つ知識と技術を同盟全体のものとしようとする作風を持たなくてはいけない。
 第二に、新しい手段・多様な宣伝形態について常に研究・実験を行ない、大衆の反応に注意を払わなくてはいけない。
 第三に、同志諸君が持っている新鮮な問題意識を積極的に同盟内部へ持ち込み、又、同志諸君が「個人的趣味」として行なっている様々な活動を共青同の中で実現するように努めるのではなくてはいけない。
 こうした作風に立ちつつ、我々の宣伝・扇動の様式を個人的経験と手工業的生産の段階から一歩進め、組織性・系統性、そして青年大衆のあらゆる要求に応え得る多様性を獲得し、大量の有能な扇動家を短期間に生み出す組織体制が築きあげられるならば、わが革命的共産青年同盟の未来は明るい!
 本書はこうした要請に対し極めて限られた範囲ながら扇動技術の面において応えるものとして発行された。
 我が同盟に加盟して日が浅く活動経験に乏しい同志たちが、その政治性と共に扇動技術においても優れたプロフェッショナルとして急速に成長される為に本書が活用されるよう切望するものである。

「青年戦線」創刊号表紙

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