正面の門わきに北部国境地帯での戦闘の模様が図示されていた。首都ハノイから戦闘地域まではおよそ150キロ。首都を東京にたとえると静岡あたりに中国軍が侵入していることになる。しかし訪問団はそれほどの緊張感を感じなかった。南へ訪問した時に説明をきいてその理由がわかった。
「中国軍の装備は非常に遅れています。上からの命令で何の武器ももたずに大軍で押し寄せてくる。また戦意がない。指揮官は後ろから兵士を威嚇して前進させる。その指揮官を狙って撃てば部隊はちりぢりになって逃げていきます。」
「中国の戦闘機はミグ19しかありません。われわれはミグ21も23も持っている。さらに米軍から捕獲したファントムもある。」
解放軍の元幹部の言葉からは大きな自信が感じられた。
帰国後、様々な報道によっても中越の武装の質や戦意の差については事実である事が確認された。 |