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過渡的綱領についての討論

       レオン・トロツキー
         
 これはトロツキーとの対話のきわめて大まかな草稿である。彼は他の仕事のために、郵送する前に自分の発言をいつものように校閲することができなかった。  ―速記者―

 トロツキー 綱領一般に関するいくつかの見解を明確にしておくことがきわめて重要である。どのようにすれば綱領を首尾一貫したものに作り上げることができるであろうか? 一部の同志たちは、この綱領草案がいくつかの部分でアメリカ労働者の心理状態や気分に十分に適応してはいない、と言っている。ここでわれわれは自問しなければならない。綱領というものは労働者の心理に適応していなければならないのか、それとも、その国の現在の客観的な経済的・社会的諸条件に適応していなければならないのか、と。これはもっとも重要な問題である。
 われわれは、社会のそれぞれの階級の心理は客観的諸条件、生産力、その国の経済状況によって決定される、ということを知っている。しかし、これはただちに反映されるのではない。心理は、一般に、経済的発展に比較して後進的であり、立ち遅れている。この立ち遅れは短期間に終わることもあれば、長期にわたることもある。発展がゆるやかで、だらだらとしたものである平時においては、この立ち遅れが破局的な結果をもたらすことはない。この立ち遅れは、概して、労働者が客観的諸条件によって彼らに提起されている任務に応えることができないでいる、ということを意味している。しかし、危機の時期においては、この立ち遅れは破局的なものとなるかもしれない。ヨーロッパでは、たとえば、それはファシズムという形をとった。ファシズムは、労働者が権力を取ることに失敗した際の彼らへの罰なのである。
 現在、合衆国は同じような破局の危険を伴った同じような情勢にはいり込んでいる。この国の客観的情勢は、あらゆる点で、そしてヨーロッパにおけるよりもむしろいっそう社会主義革命と社会主義のために成熟しており、世界の他のいかなる国におけるよりもいっそう成熟している。アメリカ労働者階級の政治的後進性はきわめて著しい。このことは、ファシズム的破局の危険がきわめて大きいことを意味している。これがわれわれの全活動の出発点である。綱領は、労働者の後進性よりも、むしろ労働者階級の客観的諸任務を表現しなければならない。綱領は、労働者階級の後進性ではなく、社会の現実の姿を反映しなければならない。綱領はこの後進性を克服し、それに打ち勝つための道具である。これが、われわれがわれわれの綱領において、資本主義社会――何よりもまず合衆国を含めた――の社会的危機の鋭さのいっさいを表現しなければならない理由である。われわれは客観的諸条件を先に押しやったり、加減したりすることはできない。客観的諸条件はわれわれに依存しているのではない。われわれは、大衆が危機を解決するだろうと保証することはできない。しかし、われわれは情勢をありのままに表現しなければならない。そして、これが綱領の任務なのである。
 もう一つの問題は、どのようにしてこの綱領を労働者に提起するかである。それは、むしろ、現実の情勢を労働者にしめす際の教育的任務ならびに用語上の問題といってよい。政治は生産力に、すなわち、生産力の高度な発展、資本主義的所有形態による生産力の麻痺、ますます深刻になりつつある失業の増大――最も重大な社会的疾病――に透応しなければならない。生産力はもはや発展することができない。科学的テクノロジーは発展するが、しかし物質力は減退しつつある。それは、社会がますます貧しくなり、失業者の数がますます多くなることを意味する。大衆の悲惨さは深まり、ブルジョアジーと労働者にとっての困難はますます増大している。ブルジョアジーはファシズム以外にいかなる解決策も持っていない。そして、危機の深まりはブルジョアジーに民主主義の残りかすを廃棄し、それをファシズムと取り替えざるをえなくさせるであろう。アメリカ・プロレタリアートは、団結力、意志力、勇気の欠如のために、二〜三〇年にわたって、ファシスト派によって罰を科されるだろう。ブルジョアジーはアメリカ労働者に彼らの任務を鉄の鞭によって教えるだろう。アメリカはヨーロッパの経験の恐るべきくり返しにすぎない。われわれはこのことを理解しなければならない。
 同志諸君、これは重大である。これがアメリカ労働者にとっての展望である。ヒトラーの勝利後、トロツキーが『フランスはどこへ行く』というパンフレットを書いたとき、フランスの社会民主主義者たちは「フランスはドイツではない」と笑った。しかし、ヒトラー勝利の前に彼がパンフレットを書いてドイツ労働者に警告すると、社会民主主義者たちは「ドイツはイタリアと違う」と笑った。彼らは何の注意も払わなかった。いまやフランスは日に日にファシズム体制に近づいている。同じことが合衆国にもそのままあてはまる。アメリカは脂肪がついて太っている。過去からのこの脂肪がルーズヴェルトに彼の実験を許しているが、これはいっときの間にすぎない。全般的情勢はまったく類似している。危険は同じである。確かに、アメリカ労働者階級がプチブル的精神を持っており、革命的連帯を欠いており、高い生活水準に慣れており、そしてアメリカ労働者階級の心理状態が今日の現実にではなく、昨日の思い出に照応しているのは事実である。
 いまや情勢は根本的に変化した。この情勢の中で革命的にできることは何か? まず第一に、客観的情勢とこの情勢から生じる歴史的諸任務を、労働者が現在このために成熟しているか否かに関係なく、明確に、卒直に提起せよ。われわれの任務は労働者の心理に依存しない。任務は労働者の心理を発展させることである。これが、綱領によって定式化され、先進的労働者の前に提起されるべぎものなのである。ある人々はこう言うだろう――よかろう、この綱領は科学的綱領である、それは客観的情勢に適応している。しかし、もし労働者がこの綱領を受け入れようとしないならば、それは不毛である、と。あるいはそうかもしれない。しかし、このことが意味するのは、危機は社会主義革命以外のいかなる方法によっても解決されえないのであるから、労働者は粉砕されてしまうだろう、ということにすぎないのである。もしアメリカの労働者がこの綱領をときを逸することなく受け入れなければ、彼らはファシズムの綱領を受け入れることを余儀なくされるだろう。そして、われわれがわれわれの綱領をたずさえて労働者階級の前に現われたとしても、われわれは彼らがわれわれの綱領を受け入れるだろうと保証することはできない。われわれはこのことに責任を負うことはできない……われわれはわれわれ自身に責任を負うことができるだけである。
 われわれは労働者に真実を語らなければならない。そうすれば、われわれは最良の分子を獲得するだろう。これらの最良の分子が労働者階級を指導し、彼らを権力に導くことができるかどうか、私は知らない。私はそうあってほしいと思う。しかし、私はその保証を与えることはできない。だが、もし最悪の場合、労働者階級が現在の精神と力を社会主義革命に向けて動員することに成功しえないとしても――もし最悪の場合この労働者階級がファシズムの犠牲に陥るとしても、その最良の部分は言うだろう――「われわれはこの党から警告されていた、それは良い党である」と。そして偉大な伝統が労働者階級の中に残るだろう。
 これは最悪の場合である。これが、この綱領は労働者階級の心理に照応していないから、われわれはそのような綱領を提起することはできない、というすべての議論が誤っている理由なのである。これらの議論は情勢を前にしての恐怖を表現しているにすぎない。もちろん、もし自分の眼をふさぐなら、私はだれもが受け入れる申し分のないばら色の綱領を書くことができる。しかし、それは情勢に適応しないだろう。綱領は情勢に照応していなければならない。私は、この初歩的な議論がきわめて重要である、と考えている。プロレタリアートの階級の心理は遅れているが、その心理は工場や鉱山や鉄道のようなものではなくもっと流動的であり、数百万の失業者という客観的危機の打撃のもとでは、それは急速に変化しうるものである。
 現在、アメリカ・プロレタリアートはその政治的後進性ゆえにある種の利点を持っている。これはいささか逆説的に見えるが、にもかかわらずそれはまったく正しい。ヨーロッパの労働者は社会民主主義とコミンターンの伝統という長い過去を持っているが、これらの伝統は保守的な力をもっている。いろいろな党が裏切った後でさえも、労働者は依然として彼らに忠実である。それは、労働者が、自分をはじめて目覚めさせてくれ、政治的教育を与えてくれた党に対する感謝の念を持っているからである。これは新しい方向づけにとって一つのハンデキャップである。アメリカの労働者は、その大多数が政治的に組織されていなかった、そしていまやっと労働組合に組織されはじめたばかりであるという利点を持っている。このことは革命党に危機のせまる情勢下で彼らを動員する可能性を与えている。
 その速度はどうであろうか? 誰も予測することはできない。われわれにはその方向がわかるだけである。誰もこの方向が正しいものであることを否定することはできない。次に、われわれには、いかにしてこの綱領を労働者に提起するかという問題がある。それはもちろん非常に重要である。われわれは政策を大衆の心理や教育と結びつけ、彼らの心へのかけ橋を築かなければならない。ただ経験のみが、この国のあれこれの部分でどのように前進すべきかをわれわれに示しうるのである。しばらくの間、われわれは労働者の注意を一つのスローガン――賃金と労働時間のスライディング・スケール――に集中させるために努力しなければならない。
 アメリカ労働者の経験主義は、単一税、複本位制という一、二のスローガンで、諸政党に多大の成功を収めさせている。それらは大衆の中に野火のように広がっている。彼らは、この万能薬が失敗するのを目にすれば、新しいものを期待するだろう。いま、われわれは、卒直なもの、われわれの綱領全体の一部、デマゴギー的ではなく、情勢に全面的に適応しているものを提起することができる。現在、公式には一、三〇〇万あるいは一、四〇〇万の失業者が存在している。実際にはおよそ一、六〇〇万から二、〇〇〇万だろう。しかも青年は悲惨な状態のままに完全に見捨てられている。ルーズヴェルト氏は公共事業を主張している。しかし、われわれはこれで、鉱山や鉄道などとともに、全国民を吸収することを主張する。そして、各人が現在よりも低くないかなりましな生活をおくれる可能性を持つべきであり、われわれは、ルーズヴェルト氏が彼のブレーン・トラストを用いて、働くことのできるあらゆる人々がかなりの賃金で働くことのできるような公共事業計画を提出することを要求する。これは貸金と労働時間のスライディング・スケールによって可能である。われわれは、いかにしてこの考えをあらゆる現場で提起すべきかをあらゆるところで討論しなければならない。それから、われわれは、これが社会主義労働者党の綱領であることをすべての人々が知るように集中した宣伝活動を始めなければならない。
 私は、われわれが労働者の注意をこの点に集中させることができると思う。もちろん、これはただ一つの点にすぎない。始めはこのスローガンは情勢に完全に適応している。しかし、事態が発展するにつれて他のスローガンをつけ加えることができる。官僚はそれに反対するだろう。この時、もしこのスローガンが大衆に広く受け入れられるようになれば、対極にファシズム的傾向が発展するだろう。われわれは、われわれには防衛隊が必要であると言うだろう。私は、当初はこのスローガン(賃金と労働時間のスライディング・スケール)が受け入れられるだろうと思う。このスローガンはいかなるものであるのか? 実際にはそれは社会主義社会における労働の体制である。総労働時間が総労働者数で割られる。しかし、もしわれわれが全面的な社会主義体制を提起するならば、それは普通のアメリカ人にとって空想的な、何かヨーロッパからきたもののように見えるだろう。われわれはこれを、彼らが食べ、飲み、かなりのアパートで生活する権利を保証するこの危機への解決策として提起する。それは社会主義の綱領であるが、しかし大衆的なやさしい形で示されている。

質問 このキャンペーンはどのように行なわれるべきか。
トロツキー このキャンペーンは、およそ次のような具合に進行するだろう。諸君は、たとえばミネアポリスで、アジテーションを始める。一、二の組合をこの綱領に獲得する。他の町のそれぞれの組合へ代表を送る。諸君がこの考えを党から組合に持ち出したときに、戦いの半ばはすでに勝ったに等しい。それをニューヨークやシカゴなどの対応する組合へ送る。一定の成功を収めたならば、特別大会を召集する。それから、諸君に組合の官僚たちに賛成か反対かの立場を明らかにさせよとアジテーションする。プロパガンダのためのすばらしいチャンスが開けてくる。

質問 われわれは実際にこのスローガンを実現できるだろうか。
トロツキー 資本主義のもとでこの要求を実現するよりも、資本主義を打倒するほうが簡単だ。資本主義のもとでは、われわれの要求のどれ一つも実現されないだろう。これが、われわれがそれらを過渡的要求と呼ぶ理由である。それは、労働者の心理へのかけ橋を、そしてさらに社会主義革命への物質的かけ橋を作り出す。問題のすべては大衆をいかにして闘争に動員するかである。就業者と失業者の分裂という問題が出てくる。われわれはこの分裂を克服するための方法を見つけなければならない。固定した失業者という階級、パーリア(賤民階級)という観念――そのような観念は、まったくファシズムを心理的に準備するものである。もしこの分裂が労働組合で克服されないならば、労働者階級の運命は暗い。

質問 われわれの同志の多くが、これらのスローガンは実現されえないものであるということを理解することができない。
トロツキー それは非常に重要な問題である。この綱領は一人の人間の新しい発明ではない。それはボリシェヴィキの長い経験から引き出されたものである。私は、それが一人の人間の発明ではない、それは革命家たちの長い集団的経験から生まれたものだ、ということを強調したい。それは古い諸原則のこの情勢への適用である。それは情勢に対して鉄のように固定的なものではなく、柔軟なものであると考えるべきである。
 革命家たちはつねに、改良や成果が革命的闘争の副産物に過ぎないと考えている。もしわれわれが、われわれは支配階級が与えることのできるものだけを要求するであろうというならば、支配階級はわれわれの要求したものの十分の一しか与えないか、あるいは何も与えないだろう。もしわれわれがもっと多くのものを要求し、われわれの要求を押しつけることができるならば、資本家たちは最大限の譲歩を強いられる。労働者の精神が広大であればあるほど、そして戦闘的であればあるほど、それだけより多くを要求し勝ち取ることができる。それらは不毛なスローガンではない。それらはブルジョアジーへの圧力の手段であり、可能な最大の物質的成果をただちにもたらすだろう。かつてアメリカ資本の上昇期には、アメリカ労働者は経験主義的な闘争やストライキなどだけを基礎として勝利を収めることができた。彼らは非常に戦闘的であった。資本が上昇期にあったという事実があったので、資本主義はアメリカ労働者を満足させることに関心を持っていた。いまや情勢はまったく異なっている。いまや資本家たちには繁栄の展望はまったくない。彼らは、多数の失業者がいるためにストライキを恐れていない。これが、綱領が労働者階級の両方の部分を包含し統一しなければならない理由なのである。賃金と労働時間のスライディング・スケールがまさにそれを実現する。
 一九三八年五月一五日

          (社会主義労働者党『内部通報』一九三八年第二号に発表)


過渡的綱領についての再度の討論 レオン・トロツキー

  これはトロツキーとの討論の大まかな草稿であり、討論参加者による校閲はなされていない。 ――速記者――

綱領について

トロツキー 綱領の重要性は党の重要性である。党は階級の前衛である。党は最も意識的な、最も先進的な、最も献身的な分子からえり抜かれた精衛によって形成されており、党はその数的な力とは直接的には無関係に重要な歴史的・政治的役割を果たすことができる。それは小さい党であっても大きな役割を果たすことができる。たとえば、一九〇五年の第一次ロシア革命において、ボリシェヴィキ分派が有していたメンバーは、一〇、〇〇〇人を越えず、メンシェヴィキは一〇、〇〇〇人から一二、〇〇〇人であった。たかだかそれだけである。当時両者は同一の党に属していた。だから、党は全体として多くて二〇、〇〇〇人から二二、〇〇〇人の労働者しか有していなかった。党は正しい政策とその団結力によって、全国にわたってソヴィエトを指導した。ロシアとアメリカやその他のあらゆる古い資本主義国との相違は、ロシアのプロレタリアートが労働組合や保守的な改良主義のいかなる伝統も持たぬまったく新鮮な、処女のプロレタリアートであったことだ、と異議をとなえることもできよう。それは、指導を必要とし、またこの指導を求めていた若い新鮮な処女の労働者階級であり、党が全体としてたかだか二〇、〇〇〇人の労働者しか有していなかったにもかかわらず、この党は戦いの中で二、三〇〇万の労働者を指導したのである。
 それでは、党とは何か? その団結力は何に由来するのか? この団結力は事件や任務の共通の理解であり、この共通の理解――それが党の綱領である。近代労働者が野蛮人と同様道具なしには労働することができないように、党にとって綱領は道具である。綱領がなければ、一人一人の労働者が道具を間に合わせに作り、間に合わせの道具を探さなければならず、そしてそれらは互いに矛盾しあうのだ。共通の概念の基礎のうえに組織された前衛を持っているときに初めて、われわれは行動することができる。
 われわれは今日まで綱領を持っていなかった。しかし、それでもわれわれは行動したと人はいうかもしれない。しかし、この綱領はいろいろな論文、いろいろな決議などの形をとって定式化されていた。この意味で綱領草案は新しい発明を予示するものではない。それは一人の人間の作品ではない。それは今日までの集団的活動の総和である。しかし、同志たちに情勢についての観念、共通の理解を与えるために、そのような総和が絶対に必要である。プチブル的アナーキストや知識人は、共通の理念、共通の態度を党に与えることに同意するのを恐れている。反対に彼らは道徳的な綱領を望んでいる。しかし、われわれにとって、この綱領は共通の経験の結果である。それは誰にも押しつけられない。なぜなら党に加わる者はだれでも自発的に加わるのであるから。
 これと関連して、私は、必然と対立する自由というものによってわれわれが意味するものは何かということを強調しておくことが重要であると思う。われわれは自由な個性を持つべきであるというのは、非常にしばしばプチブル的概念である。それは虚構にすぎず、誤りである。われわれは自由でない。われわれは、形而上学的意味での自由意志を持っていない。私が一杯のビールを飲みたいと思うとき、私は自由な人間として行動している。しかし、私がビールを飲みたいという欲求を考え出したわけではない。それは私の肉体から生ずるのである。私はその執行者にすぎない。しかし、私が私の肉体の欲求を理解し、その欲求を意識的に満すことができるかぎり、私は自由、つまり必然性の理解を通じての自由を知覚するのである。この点で、私の肉体の必要のこの正しい理解が、いかなる問題であれ動物に与えられた唯一の真の自由なのであり、そして人間は動物なのである。同じことが階級についても当てはまる。階級のための綱領は天から降ってきはしない。われわれはただ必然性の理解に到達することができるだけである。先の場合、それは私の肉体であったが、今度の場合、それは社会の必然性である。綱領は、われわれが理解することを学んだ必然性の明確な表現であり、また必然性は階級の全成員にとって同一であるがゆえに、われわれは任務の共通の理解に達することができるのであり、この必然性の理解が綱領なのである。
 われわれはさらに進んで次のように言うことができる。すなわち、われわれの党の規律は非常に厳格でなければならない、なぜなら、われわれは、自己の利益を意識した敵の巨大なブロックと敵対している革命党であり、現在われわれはブルジョアジーによってばかりでなく、ブルジョアジーの手先の中で最も悪意に満ちた手先であるスターリニストによっても攻撃されているからである、と。絶対的規律が必要である、しかしそれは共通の理解から生れたものでなければならない。もしそれが外部からおしつけられるなら、それは束縛である。もしそれが理解から生じているならば、それは個性の表現であるが、しかしそうでなければ、それは束縛である。だから規律は私の自由な個性の表現なのである。私は私の自由意志によって加入したのであるから、それは個人の意志と党との間の対立ではない。綱領もまたこの基礎に立っており、このことをわれわれが十分に理解したときはじめて、この綱領は確固たる政治的・道徳的基礎を持つことができるのである。

過渡的構領の性格

 綱領草案は完全な綱領ではない。この綱領草案には欠けているものがあり、またその性格からいって綱領に属さないものが含まれている、と言うことができる。綱領に属さないものとは、注釈的説明のことである。この綱領にはスローガンだけでなく、注釈的説明と敵対者への論争も含まれている。しかしそれは完全な綱領ではない。完全な綱領は帝国主義段階における近代資本主義社会、その危機の理由、失業者の増大などの理論的記述を含んでいなければならない。この草案のなかではこのような分析は第一章で簡単に概括されているだけなのだが、それはこれらのことについてわれわれがすでに論文や本などで書いているからである。われわれはもっと多く、もっと立派に書きたいと思っている。しかし、実践的目的のためには、ここで述べられていることで十分である。というのは、われわれはみな同じ意見を持っているからである。綱領の初めの部分は完全でない。というのは、そこでは社会革命、蜂起による権力奪取、資本主義社会の独裁への、独裁の社会主義社会への転化について、語られていないからである。これは読者を戸口に連れていくものにすぎない。それは今日から社会主義革命の開始点までの行動のための綱領である。そして、実践的観点から現在最も重要なのは、プロレタリアートの様々な層をわれわれかいかにして社会革命の方向へと導いていくか、ということである。私が聞いたところによると、現在ニューヨークの同志たちが、綱領草案を研究し批判するというだけでなく、綱領を大衆に提示するための方法と手段を練るという目的を持ったサークルを組織しはじめている、ということであるが、私はこれはわれわれの党が利用することのできる最良の手段であると思う。
 この綱領は最近の接近にすぎない。次の時期の国際協議会に提出されるという意味においては、それは一般的すぎる。それは全体的世界の一般的発展傾向を記述している。それは半植民地諸国および植民地諸国に当てられた短い一章を含んでいる。それはファシスト諸国に当てられた一章、ソビエトに関する一章などを含んでいる。たしかに、これらの諸国がすべて帝国主義経済の圧力のもとにおかれているために、世界情勢の一般的特徴は共通してはいるが、各国はその独自の条件を持っており、真の生きた政策は、各国における、あるいはさらに各国の各部分におけるこれらの独自の条件から出発しなければならない。これが、綱領へのきわめて真剣なアプローチが合衆国のあらゆる同志たちの第一の義務だという理由である。
 綱領を練りあげるに際しては、二つの危険がある。第一は、一般的、抽象的路線にとどまり、現場の労働組合との真の結びつきもなしに一般的スローガンをくり返すことである。それはセクト的抽象の方向である。もう一つの危険は、逆に、地方的諸条件、特殊な諸条件にあまりにも適応しすぎ、一般的な革命路線を見失うことである。私は合衆国では第二の危険の方がより差し迫っていると考えている。私の記憶では、軍国主義化の問題、武装ピケットなどの問題についてとりわけそうだと思う。一部の同志たちは、労働者にとってそれは現実的でないのではないかなどと危惧していた。

ファシストの方法と労働者自衛の任務

 この数日、私は、イタリアにおけるファシズムの台頭についてイタリアの労働者が書いたフランス語の本を読んだ。著者は日和見主義者である。彼は社会党員であるが、興味深いのは彼の結論ではなく、彼が提供している事実である。彼はとりわけ一九二〇〜二一年のイタリアのプロレタリアートの描写を行なっている。それは強力な組織であった。彼らは一六〇名の社会主義者の国会議員を持っていた。彼らは選挙区の三分の一以上を手中にし、イタリアの最も重要な部分は労働者の中心勢力である社会主義者の手中にあった。いかなる資本家も組合の同意なしには雇用も解雇もできなかった。これは工業労働者だけでなく農業労働者にもあてはまるものであった。それは四九パーセントのプロレタリア独裁であるように見えた。しかし、プチブルジョアジー、復員した将校たちのこの情勢に対する反応は恐るべきものがあった。それから、著者は、彼らが将校たちの指導のもとに小さな組織を作り、これらをあらゆる方面にバスで派遣したことを述べている。社会主義者の手に握られていた人口一〇、〇〇〇の都市で、三〇名の組織された男たちが町に入ってきて、市を焼きつくし、家々に火をつけ、指導者を射ち殺し、資本家に有利な労働条件を押しつけ、それから彼らは他の都市に行き、次から次へと、何百も何百もの都市で同じことをくり返した。恐るべきテロとこのような系統的な行動で、彼らは労働組合を完全に破壊し、こうしてイタリアのボスとなった。彼らは取るに足りない少数者であった。
 労働者はゼネストを宣言した。ファシストは彼らのバスを派遺し、地方のあらゆるストライキを破壊し、わずかの組織された少数者によって労働者の諸組織を一掃した。この後選挙が行なわれ、労働者はテロのもとで以前と同数の国会議員を選出した。議員たちは国会が解散されるまで、国会内で抗議した。これが形式的権力と実際的権力との相違である。あらゆる国会議員が自分たちが権力を握るであろうと確信していたが、しかし、犠牲の精神を持ったこの巨大な運動は、犠牲の精神とすぐれた軍事指導者を持ったよく粗纖されたおよそ一〇、〇〇〇名のファシストによって粉砕され、押しつぶされ、排除された。
 合衆国では事情は異なるかもしれないが、根本的任務は同じである。私はハーグの戦術について読んだ。それはファシストによる転覆のリハーサルである。彼は、危機が深まっているために激怒している小ボスたちを代表している。彼は完全に憲法違反のギャングを持っている。これは非常に伝染力が強い。危機の深化とともに、それは全国に拡がるだろう。そして非常に善良な民主主義者であるルーズヴェルトは、「おそらくそれが唯一の解決策である」と言うだろう。
 イタリアでも同じだった。社会党員に入閣を求めた一人の大臣がいた。社会党員は拒否した。彼はファシストを容認した。彼はファシストによって社会党員とのつりあいをとることができると考えた。しかしファシストはこの大臣をも粉砕した。私はいまニュージャージーの例が非常に重要であると考えている。われわれはあらゆるものを利用すべきであるが、とりわけこれを利用すべきである。私はファシストがいかにして勝利したかについて、一連の特別の論文を提起しょぅと思う。われわれは同じようにして勝利することができるが、われわれは労働者の大部隊に支持された小さな武装された部隊を持たなければならない。われわれは最良の規律、組織された労働者、防衛委員会を持たなければならない。さもなければわれわれは粉砕されるであろう。私は、合衆国の同志たちがこの問題の重要性に気づいていないと思う。ファシストの波は二、三年で拡がることができる、そして労働者の最良の指導者たちは、南部の黒人たちのように、ありうべき最悪の方法で私刑にかけられるだろう。私は、合衆国でのテロはあらゆるものの中で最も恐るべきものであろうと思う。これが、われわれが非常に控え目に、すなわち、防衛隊から始めなければならないが、しかし、ただちにそれに着手すべきであるという理由である。

質問 われわれはどのようにして実際に防衛隊の組織に着手すればよいのでしょうか?
トロツキー それはきわめて簡単だ。諸君はストライキの際、ピケット・ラインを張るかね? ストライキが終わった時、われわれはこのピケット・ラインを恒久的なものにしてわれわれの組合を防衛しなければならないと言うのである。

質問 党自らが党員で防衛隊を作るのでしょうか?
トロツキー 党のスローガンは、われわれを防衛してくれるシンパサイザーや労働者がいる地域に根を据えなければならない。しかし、党が独自の防衛組織を作ることはできない。課題はそのような組織を労働組合の内部に作ることである。われわれは非常に立派な規律を持ち、簡単に挑発されない、すぐれて慎重な指導者を持ったこのような同志たちのグループを持たなければならない。なぜなら、そのようなグループは簡単に挑発されることがあるからである。次の一年の主要な任務は、戦闘や流血の衝突を避けることであろう。われわれはストライキの間は、平和な時期の間は、少数派組織であればこのような衝突を最少限にくいとめねばならない。ファシストの集会をやらせないためには、それは力関係の問題である。われわれだけでは強力ではない。しかし、われわれは統一戦線を提起するのである。
 ヒットラーは彼の本の中で彼の成功の理由を説明している。社会民主党はきわめて強力であった。社会民主党のある集会に、彼はルドルフ・ヘスの一隊を派遣した。彼は、集会の終りに彼の三〇名の隊員たちが労働者を全部追いたて、労働者たちは彼に逆らうことができなかったと言っている。この時彼は自分が勝利するだろうと知ったのである。労働者たちは党費を支払うために組織されていたに過ぎなかった。他の任務のためには何の準備もいらなかった。いまやわれわれは、ヒットラーがやったことを逆の側からやらなければならない。集会を解散させるために四〇人から五〇人の人を派遣しなければならない。これは大変重要なことである。労働者たちははがねのように鍛えられた戦闘的な分子になる。彼らはラッパ手となる。プチブルジョアジーはこれらは真剣な人々であると考える。すばらしい成功だ! 非常に多くの大衆が目をくらまされており、後進的で、抑圧されており、彼らはただ成功によってのみ目覚めさせられることができるのだから、これは大変重要なことである。われわれが目覚めさせることができるのは前衛だけである。しかし、次にはこの前衛が他の人々を目覚めさせるにちがいない。これが、私がこのことを非常に重要な問題であるとくり返し言う理由である。われわれは、熟練した強力な同志たちを持っているミネアポリスで、これに着手し、国全体に示すことができる。

われわれの綱領は客観的情勢に適合していなければならない

 私は、われわれのテキストで十分に展開されていない草案のこの部分を、少し討論したら有益だろうと思う。それは一般的な理論的部分である。私はさきの討論の中で、この草案では綱領の理論的部分は社会の一般的分析としては完全にはなされておらず、いくつかの短いヒントが示されているにすぎないと述べた。他方、草案は革命、プロレタリア独裁、革命後の社会建設に関する部分を含んではいない。ただ過渡期だけしか問題とされていない。われわれが何度もくり返し述べてきたように、われわれはわれわれの綱領を大衆の現在の政治的状況、思想、気分に合わせるのではなく、社会の経済的階級的構造に表現されている客観的情勢に合わせるという点に、われわれの活動の科学的性格がある。心理は遅れている場合がある。その時の党の政治的任務は心理を客観的事実に調和させること、すなわち、労働者にその客観的任務を理解させることである。しかし、われわれは綱領を労働者の遅れた心理に合わせることはできない。心理、気分といったものは二義的要素であり、第一義的な要素は客観的情勢である。これが、綱領には情勢に合致しない部分があるといった批判や評価を耳にした理由なのである。
 いたるところで、私は、われわれは何をなすべきか、われわれの綱領を客観的情勢に適合させるべきか、それとも労働者の心理に適合させるべきか、と問われる。私は、この質問が、この綱領はアメリカの情勢に適さないと言っているあらゆる同志に向けられなければならないと思う。この綱領は科学的綱領である。それは客観的情勢の客観的分析にもとずいている。それは労働者全体によって理解されることはできない。もし前衛が次の時期にそれを理解し、それから労働者に向かって「諸君たちは諸君自身をファシズムから救わなければならない」と言うならば、それば大いに結構なことだ。

社会革命の客観的諸条件

 われわれは客観的情勢ということをどう理解しているか? ここでわれわれは社会革命のための客観的諸条件を分析しなければならない。これらの条件はマルクス・エンゲルスの諸著作の中で明らかにされており、現在もそれらは本質的に変化していない。第一に、マルクスはあるとき、いかなる社会もその可能性を使い果たすまではその座を明け渡さない、と述べた。これは何を意味しているのか? それは、主観的意図によってある一つの社会を廃棄することはできないということ、われわれはブランキストのように蜂起を組織することはできないということを意味している。“可能性”とは何を意味しているか? “社会はその座を明け渡すことはできない”とは? 社会が生産力を発展させ、国民をより豊かにすることができるかぎりは、社会は依然として強力であり、安定している。そのことは、奴隷社会、封建社会、そして資本主義社会についての条件であった。ここで、われわれは、私が以前に『共産党宣言』への私の序文のなかで分析した非常に興味深い問題に到達した。マルクスとエンゲルスは、彼らの生存中に革命が起きることを期待していた。とくに一八四八年から一八五〇年にかけて、彼らは社会革命を期待した。なぜか? 彼らは、私的利潤に基礎を置いた資本主義体制は生産力の発展にとってのブレーキとなってしまった、と言った。これは正しかったか? 正しくもあり、また正しくなくもあった。もし労働者が一九世紀の必要に答え、権力を取ることができたならば、生産力の発展はもっと急速で、国民はもっと豊かであったろう、という意味においては、それは正しかった。しかし、労働者はそれができなかったかぎりにおいて、資本主義体制はその危機を伴ないつつ生き残った。しかも、一般的傾向は上昇した。前次大戦(一九一四〜一八年)は、世界市場が生産力の発展にとってあまりにも狭隘となり、各国が他とすべての国々をおしのけて自己の目的のために世界市場を獲得しようとしたことの結果であった。彼らは成功しなかった。そして、現在、われわれは、資本主義があらたな段階に入っているのを目にしている。多くの人々が、戦争の結果そうなったのだと言っている。しかし戦争は、社会がその可能性を使い尽したという事実の結果であった。戦争は社会がこれ以上発展することができないことの表現にすぎなかった。われわれは戦後ますます深化している歴史的危機を目にしている。資本主義の発展はどこにおいても繁栄と恐慌であった。しかし、この恐慌と繁栄は、全体としてみれば、上向きであった。しかし、戦争とともに、恐慌と繁栄のサイクルは下降線をたどっている。そのことはいまや次のことを意味している。すなわち、この社会はその内的可能性を完全に使い尽しており、新しい社会にとってかわられねばならない。さもなくば、その可能性を使い尽したにもかかわらず、どの階@諸階級は、それが数的にいかに強蛛Aいかにして第四インターナショナルが組織され、労働階級 G団ウivウz゚~"| コ8崗ン|r1H」E香歌ゥ$Pタミ蛄ュユZェ*HE/契ソS册-オウ?Zラ_bタf C/'3:)}ウ3ィイ)8}tK・ ロZソe^コマ#dGヲクノア抂)鰻クォ゙奪黹# =ヒヒ(J濛ヌ <ノ\ .硯k【"(4!p札疎~罌w`ソケ8h。6屎ノシ0aチ∃ンス:`Y=Oカ壘セヨンホ|ョ#A:塁ネツ=楕I4 ウヘ撤メムZc彝ZU堪メ捌r2ウNッア#)ンナ譚樶サ拯|圈x鵬促 Huミ^ノW-レ此ェウb,rトテu[9(`リ;博ィ= リ噫ア1租晴姉>ムヒ 冢゙-A)レ,$xヤ2?n禎ツュヂー cマク~5w\フセ?s)w1'MCGヒ哺u柢y&宙ツAナ ヤBAヌノPッチ%IネPリ、ExX踝崟掌ケ[ォ魄ササァ奪"7Kヒ J秡I*<ニ^ ナ .$ヒ〔。(|膏セU*Fヘチ|H#bクネcレRメ匯聯nq・JヌンフIモQ#袁&ケ逵|的a 竇W0L(8)ヒ・FIヤ0oT$嬉アヘ7s キsキ_Vー>-ホコ>ThI.リ櫺,i"閔(&+D%丞=奬rョgコ剱掖垉m4。1欺カーヨ歡ンdbn 。温ナゥ・婀ヌョ2x,1-フcョ゙qラハュ賁・RS烏Ei髪牴9Q キ」イラコE]L涓ヨO貝\ヨ禅ヨ如,V.*mルイt2唾。「(地Mホ、Zu・釣ロM痕髫呶JョハrfkゾgSZHオ鎧 ネZ$タ、lnミヒM-=IQテLb3sタタ^鹽」@サQ壤ネ桐(*8タsランヲミ<=レTリ^w豹t?フワ7」~:-帚ラgヌオホモyソtuR<]=BNハ・。モユ%FSO b轣ワ+ゥ凋 オ4ヘAr  ヌW0ュK eユ*}ゥd」!薀ツ=ー ハUヌフクョG刧ヒIナ@ハミ BQ瀑/lA亞bjgUユルォj「]ン*aニ 晦gキ&XB $「dヤ奥4cヒネ矧ミ415{惟}$ニ鮴yUクY奪#8JC,J稘Ha\ / ヒ》$' p鰄レK@)腥潭ミ*ヤ j痾I7マ&ソV ェユオ ム腫・aニ 晦gキYアN,0忠迅、L釖」X曠、V■荷}ワF楢Q&7MハュツネNニメZJ梯_ィ6Z5ヒ%閃ル、・ロ^候2bpUU[`L5=[)Q*ツゥKニミェ)Ni 駈7r?Eワ\Wネ税ンaメVzQAッ搜3'妄ヲ也0uk%+ユekヒャ相^タWU051Z.レJ`ヌ'<ハ瓜ィャ+マミーyハケテQ榠ソ;赱=殀K?c、ナ+ -フキcンF&&ミwBヒKZ腿ンメsg|>ウx\ニaRrヘuヌカ ル コ/)リフロム9、5齋剳 ・ル匳/%ヘロ/6「=脈&簾゙~ア謠ヤUタヒ奪"錚K+B濘ネI=h\ 帆+-)円"邏pハsョ確_hb0`Z&チDフォ゚59_スロウq]?<# \>|H9クカyK?フイト斐ッレク{WngCヨ&カZノ0ヨ、ゥ2ヒツ}ル)腫モ5ヘdXc(タp 斌急jv@ァムCスOヲвIE9+LTQ!ィ3!^X鮒7|$<イB蝗Lョョ懿Iハコ貢カモRN詳゚gワSッ検~フ{v埼(t 4Qセpニェルヌq[ロKs A_゚r#、コ6Fa。w贋ΩPゥホI黯イG1絅yコihネ;;テサ_/Q7UtDL殼Gンソuニノヌ〇`ヤ・サスケ_wス觸+@$)テeF  Iキ甲鬯祓イSシ穃_"6ォjゥ~ーC ]ヘソリト*i[fモ=モサrV奪#48JC)b濺I9<ィ^K+,・+永'p!qe酲 1o暎・Yz|・cG;゙em+@qF、Lh4ォヘu~kU3Eシキ}鴿ャラso=H觝。奪驍# 8ヒcb濛H = \ テ) -堰m!'u!pf 69ツ8"ケル牀]チキ楫U!"テケカ$コj-\エタヘfヲ4考y喃イ#3TyオZ汎ク迩=;Gロヲ裂テ痒ム肩#ワ9Q苣]FYKJ鬧p鋺Y毬/Vsマ婬!<;馼ーY_tAカaQ'イアレj|{ヘ+,-ラ}箏z茜c越c[ヲキ冷椡螯ユル剩ibマTRsハエぞ.ツネQ+ワH8qヲソVg゚+6>ロが'{V tルヲ]ァ 8カ# 硯8V偕d゙ト%、Xァ}嬌k{ラJロL情>[ケばセ$硯餌罠s対ア顳6&JCマLフ#ek 8ノーZワU雍」ンワ萢-X鰺Cソt:Jオ輟+PレョR"Vb山偬jナKンKvmォl/奪#8ハヒ(b濟g ゙= \L4゚) ・求~ ァx!pЛ({賃ユWOP$PヌIシタvヨ5Ty噴(蓆キE-(aw92繻ャt蝪゚コpレJオ輟+Pレョ.、Eャナ・1ユ,傅渟キャ=ウ<セviスン袖゚?夬1M*セPミ@ェT5。リヲ革ペ棺ヤ賞[コ'gマz4欽Iヒ連J捉テdニ欝CBケシハik椌リィ妛Pレム#o゚爛「$1ナ餅徳7b\クォ房 妓>ャVホ>;ル芝坑笈cEムX 碎fフヤ}リ耗&カォD」 rソ5Q^憐?ャャvX給コh8 u hRコ`リLヲbホG、C?9:;」mF 弍職ャーロ+渫7ヌハRムm"ヌミ耆哮ヨス[*ZSゥX{2&猩ソ轉ハソ9咄シ2,カゥ織#8ハロb瀉(9フ= \Kャヒ)l%+’#'t。q「ノエ睡ソ、フタDヌ G芍_俳.副「Zy帰セzY頡@EP N<hロワフ~サ'S緝 G -ニQTそォ@ホ負uc謬伽%包P葯ヌィ*好蛍哮8Wm2R@ゥ0ィ隲^ネ槽 e}]e$ン薄Aス瀕Bンせ+残8ス 損ユ崋dv6ns-ヘFTュェ、M,ッz&j 喝#Q#c叡 ヲ]ウKH&":*ライ$aC_Wde$ン薄Aス瀕B銘\壁"ニ_Eワ/4+%8鰈D5t6o姙BQHヂォC゙リ7I"Mo( IXェムB6ハ0sフニn3e~gミ(+Zネ)O短ト梼ロッラkワ奪驛#2ノテ)J濛gヘ=\ x゚(!+÷&%qm纃ャ]ァh:ヲJュ]*モ(d)ワd今コcB4Nョ " *呶ラ6嶐; 2ル巡專^9ッtケyfッルセKナ$ォy ヘDナK.V0セP賛JS開フレYP曹X;=$マャクエ'@アeX8ィNp|ョ#ェO爬%} イ蜍コ瓢戟循*クテ佝moM麾奪閹c1ノC b濬ヌケス=\Kp&ャ%+fー・qY(ラnレA憎xウ,エZァ゚#%ウ害呶ケハъe#g、。ァラャクァ碍:ェX吃XuJヲ%コM==zj庖2>ンZRn゚カg>3スルMヌ・ヘu7hDェワフ「WV免テrY RJdテイ棯ヘAシ{vヤソユ%{サ <&ニオ3iWk{ヘ#黨j降セ搖クオ>mッシヨユヨ?・\< キ゚n9b_ オ〕ンHメ圦フ$AZノ}bョャA2MbwhヤQR・Bg$禧゚;bサw、ンママ邑マsヌモNmz3O盲ァ^6&樛v゙xフiワロョ齲: ホ^@。モ幣ィwRダチNョ骨B@rロF簀[qセヒEOe&ュ゚攻tエ 3Kノレ-奪#"7ノB b濺ヌルャ=,\ 0' %《$'<-pロ?膠 ケ7C_テM9o{ラiO>ecn"凡ウ!.メ r`セ#XD潤 ー2aR゙焉ツ(Rl鰒必tョ}!ヘキイメウエタヤ4IJクfホ<_尠ヤ讚 讌ユ\\8^&sh.個ケ値17"鰾)・ュツ%_9 クケュエノゥ゚5njラyキエ 肆=>oュ17mルォCP"w袋ソフ イ ー茱ge。Dkヘ-\dクテ9 繧C28D`\ニ覈ー「.)斃フニr僻uキrko垤5kシロ竡゚1淇o>&シIュgロメレQ)|ュケ}V≧Vハ蚰ケl侶3@17B 0:Yンンムy。ユ>ハセKW ミ米>ユ、心ホyオ](L9ロ搓ヤヒシu d奪鼇"0ノテb`[ネ河<ネ\ L% %$&ー=qヒワю!フ 0牝カ.x痢Rセテッ ミアッVフラヘオ愬$5UテBゥEァsレウル」!揚(ヒォQC杵ホョキセヲ~ニニ閘+,k|イ"キ$e╋ティ6+RLイ匍煉@キ菖リ CVオ)H! 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 これが、現在、そしてとりわけ合衆国における問題である。今日新しい社会のための必要条件は、より高度な社会を誕生させるために生産力が十分に発達していなければならない、ということである。生産力はそのために十分に発達しているか? しかり。一九世紀にそれは十分に発達していた――現在ほどではないにしても、十分に。現在、とりわけ合衆国で、もしアメリカの生産力が解放されるならば、現在でさえも生産力は二倍ないし三倍にすることができることをすぐれた統計学者なら容易に証明できるであろう。私は、われわれの同志たちがそのような統計学的研究をやるべきであると考えている。
 第二の必要条件――その意志を社会に強制しうるに十分な数的、経済的影響力を持った新しい進歩的な階級が存在しなければならない。イギリスでは労働者階級は絶対的多数派である。ロシアではそれは少数派であったが、貧農を指導する可能性を持っていた。合衆国ではそれは人口の少なくとも半数を占めているが、農民を指導する可能性を持っている。
 第三の必要条件は主体的要素である。この階級は社会における自己の位置を理解し、自身の組織を持たなければならない。これが、現在歴史的観点から見て欠けている条件である。社会的にそれは可能であるばかりでなく、社会主義か野蛮か――それは、歴史的な二者択一である――という意味において絶対的に必要でもある。

アメリカのファシズム

 われわれがこの討論の中で言及したように、ハーグ氏は、自分の町に何か中世的な制度が存在しているなどと想像している間のぬけた老人などではない。彼はアメリカ資本家階級の先発斥候なのである。
 ジャック・ロンドンは『鉄のかかと』という本を書いた。私はいまこれを推薦する。これは一九〇七年に書かれたものである。当時、それは恐しい夢と思われたが、しかし、それはいまや絶対的現実である。彼は資本家階級が恐しい弾圧によって権力を保つという合衆国における階級闘争の発展を描いている。それはファシズムの描写である。彼が描いているイデオロギーにはヒトラーとの符合すら見られる。それは非常に興味深いものだ。
 ニューアークでは市長はハーグのまねをはじめており、彼らはみなハーグや大ボスたちによって吹き込まれている。ルーズヴェルトが、いまや危機において民主主義的手段では何もやれないと気がつくのは、絶対的に確実である。彼は、スターリニストたちが一九三二年に主張したようにファシストではない。しかし、彼のイニシアチブは麻痺させられるだろう。彼は何をすることができるか? 労働者は不満を持っている。彼は自分の任期の終わりまで策略をろうし、それからさよならを言うことができるだけである。ルーズヴエルトが三選されることは絶対にありえない。
 このニューアーク市長のまねごとはきわめて重要である。二、三年のうちに、諸君はアメリカ的性格を持った強力なファシズム運動を目にするだろう。ハーグとは何物か? 彼はムッソリーニやヒトラーとは何の関係もない。しかし、彼はアメリカのファシストである。彼はなぜ目をさましたのか? 社会がもはや民主主義的手段によってやっていけないからである。
 もちろん、ヒステリーに陥いることは許されない。労働者階級が事件に先を越される危険性は議論の余地なく明白である。しかし、われわれは適切な革命的スローガンをかかげたわれわれ自身の活動の精力的で系統的な発展によってのみこの危険と闘うことができるのであり、われわれ自身の頭をとび越えようとする空想的な努力によって闘うことはできない。

民主主義について

 民主主義は大ボスたちの支配にすぎない。われわれは、ランドバーグが彼の本の中で指摘したこと、すなわち、六〇家族が合衆国を支配しているのだということを、よく理解しなければならない。しかし彼らはどのようにして支配しているのか? 彼らは、今日までは民主主義的手段によって中産階級、プチブルジョアジー、労働者によって囲まれた少数派にすぎない。彼らは中産階級にこの社会に関心を持たせる可能性を持たねばならない。彼らを絶望させてはならない。同じことは労働者にもあてはまる。少なくともその上層には。もし上層が下層と対立したとしても、上層は下層の革命的可能性にブレーキをかけることができる。そしてこれが民主主義を作用させる唯一の道なのである。
 民主主義体制は支配のもっとも貴族的な方法である。それは豊かな国にのみ可能である。イギリスの民主主義者のひとりひとりは、植民地で働いている九人ないし一〇人の奴隷を持っている。古代ギリシャ社会は奴隷制民主主義であった。同じことは、ある意味で、イギリス民主主義、オランダ、フランス、ベルギーについても言うことができる。合衆国は直接的な植民地を持っていないが、しかしラテン・アメリカを持っており、合衆国にとって全世界は一種の植民地である。しかも、最も豊かな大陸を占有し、封建的伝統を持たずに発展してきたことについては、言うまでもない。それは歴史的に特権的な国であるが、この特権的な資本主義国がきわめて“賤民(パーリア)”的な資本主義国と違っているのは、ただ時間的に遅れているという点だけである。資本主義的大国の中で最も貧しい国のイタリアは最初にファシストになった。ドイツは二番目になったが、それは、ドイツが植民地や従属国を持たず、この貧困な土台の上ですべての可能性を使い尽し、労働者がブルジョアジーに取って代わることができなかったためである。いまや、イギリスやフランスよりも前に、合衆国の番である。わが党の責務は、アメリカのあらゆる労働者をつかみ、彼らが合衆国が今どんな情勢にあるのかを理解するように、彼らを何度も揺り動かすことである。それは行きがかりで生じた危機ではなく、社会的危機であるということを。われわれの党は非常に大きな役割を果たすことができる。従来の伝統、すなわち、偽善に満ち満ちた雰囲気の中で、若い党にとって困難なことは革命的スローガンを持ち出すことである。“それは空想的で”“アメリカに適していない”、しかし、これはおそらく、諸君がわれわれの綱領の革命的スローガンを持ち出すまでには変化するだろう。あるものは笑うだろう。しかし、革命的勇気とは、たんに射たれることだけでなく、現在は大多数である愚かな人々の嘲笑に耐えることでもある。しかし、彼らのうちの一人がハーグのギャングにやられるとき、彼は防衛委員会を持つのは良いことだと考えるだろう。そして彼の皮肉な態度は変化するだろう。

大衆の意識とわれわれの任務

質問 労働者のイデオロギーは客観的要素の一部ではないのか?
トロツキー 非常な少数派であるわれわれにとっては、労働者の気分を含めてこれら全体が客観的要素である。しかし、われわれは、客観的情勢をなしているこれらの諸要素のうち、われわれの新聞によって変えることができるものと、変えることができないものとを分析し、区別しなければならない。綱領は客観的情勢の根本的、永続的要因に適応したものであり、任務は大衆の心理をこれらの客観的諸要因に適応させることである。心理を適応させることは教育的任務である。われわれは辛抱強くなければならない。等々とわれわれがいう理由はここにある。社会の危機はわれわれの活動の基礎として与えられている。心理はわれわれの活動の政治的舞台である。われわれはそれを変えなければならない。われわれは社会についての科学的説明を与え、それを大衆に明確に説明しなければならない。これがマルクス主義と改良主義の違いである。
 改良主義者たちは大衆が何を望んでいるかを嗅ぎわけるすぐれた嗅覚を持っている。たとえばノーマン・トーマス――彼は聴衆にそれを与えている。しかしそれは真面目な革命的活動ではない。われわれは不人気になる勇気、「諸君は馬鹿だ」、「諸君は愚かだ」、「彼らは諸君を裏切っている」と言う勇気を持たなければならない。そして時には反感を買ってでも、熱心にわれわれの考えを持ち出さなければならない。労働者を何度も揺り動かし、説明し、そしてまた揺り動かすことが必要である。それらはすべてプロパガンダの技術に属するものである。しかし、それは科学的でなければならず、大衆の気分によりかかっていてはならない。われわれはもっとも現実的な人間である。なぜなら、われわれはノーマン・トーマスの雄弁によっては変えることのできない諸事実を考慮に入れているからである。もしわれわれがすぐに成功を収めるならば、われわれは大衆の流れの中を泳いでいるのであり、そしてその流れが革命なのである。

質問 私は時々、われわれの指導者は、これらの問題を感じとっていないのではないかと思う。
トロツキー おそらくそれは二つのことでしょう。一つは理解することであり、もう一つはそれを体そのもので感じとることである。われわれは政治を変えなければならないというこの理解を、骨の髄までしみとおらせることが、いま必要である。それは大衆にとってばかりでなく、党にとっても問題である。それは党にとってばかりでなく、指導者にとっても問題である。われわれは何度か討論を行ない、いくらか意見の相違があった。その見解に同時に到達することは不可能である。あつれきはつねにあるものだ。それは不可避であり、また必要でさえある。それが、この綱領のためにこの討論を起こした理由であった。

質問 われわれは指導者の間のこの討論にどれくらいの時間を許すべきでしょうか?
トロツキー それをいうのは非常にむずかしい。それは多くの要因によるでしょう。われわれはそう多くの時間を許すことはできない。われわれはいまこの新しい方向を完成しなければならない。それは新しくもあり、古くもある。それは過去のすべての活動に基礎をおくものであるが、それはいま新しい章を開いている。誤り、あつれき、争いにもかかわらず、いまや新しい章が開かれている。そしてわれわれはいっそう精力的な態度でわれわれの全力をそれに動員しなければならない。綱領が明確に打ち立てられているとき、重要なのはこれらのスローガンをよく知り、国のいたるところで、あらゆる人々が同時に同じスローガンを利用できるように、スローガンをうまくあやつることである。三、〇〇〇人で一万五千ないし五万人に印象を与えることができるのだ。

アメリカ合衆国において

質問 同志たちはこの綱領に抽象的には賛成するかもしれない。しかし、われわれは、スローガンを大衆の中に持ち込むための経験をつんだ同志たちを持っているでしょうか? 彼らは抽象的には同意するが、しかし、私は私の組合の遅れた労働者に対して何をすることができるでしょうか?
トロツキー われわれの党はアメリカ労働者階級の党である。強力なプロレタリア革命は言うまでもなく、強力なプロレタリアの運動もいまだ合衆国では起こっていないということを、諸君は想起しなければならない。一九〇五年なしには、一九一七年にわれわれは勝利することができなかった。私の世代は非常に若かった。一二年間に、われわれはわれわれの敗北を理解し、それを正し、そして勝利するための非常に良い機会を持った。しかし、それでもなお、われわれはまたもや新しい官僚に敗れた。われわれの党がアメリカ労働者階級を直接的に勝利に導くかどうか、われわれに予想できない理由はここにある。アメリカの労働者は、いまは愛国的で、その生活水準は高いが、将来反乱やストライキを起こすことはありうることである。かたやハーグ、かたやルイス。それは長期間、何年も何年も続くかも知れない。そして、その間に、われわれの同志たちは自己を鍛え、自己に対する確信を深めることだろう。そして労働者たちは次のように言うだろう。「彼らだけが進路を見分けることのできる人々である」と。戦争だけが戦争の英雄を生みだしうる。当初から、われわれは、優秀な仲間、非常にすぐれた人々、真面目な教育を受けた人々、すぐれたスタッフ、そして、少なからざるスタッフを持っている。このようなより一般的な意味において、私は全く楽観的である。だから、私は、アメリカ労働者の心理の変化は非常に早いテンポでやってくるだろう、と信じている。何をなすべきか? あらゆる人々が不安を感じ、何か新しいものを求めている。それは革命的ブロパガンダにとって非常に好都合である。
 われわれは貴族的分子のみならず、最も貧困な分子をも心にとめなければならない。文明化されたアメリカ労働者は、イギリスのスポーツのように、ブラス面とマイナス面を持っている。それは非常に良いものだが、しかし労働者を堕落させるための方策でもある。あらゆる革命的エネルギーはスポーツに消費された。それは資本主義の国民の中で最も知的なイギリス人によって発達させられた。スポーツは革命的教育の一部として労働組合の手中に握られるべきである。しかし諸君は、これらのものを楽しめるほど豊かでない青年や婦人の優秀な部分を持っている。われわれはいたるところで最も深い層へとはいり込むための触手を持たなければならない。

質問 私は前の大会以来、党は非常な前進を遂げたと思います。
トロツキー 非常に重要な転換が達成された。いま必要なのは、この武器に集中された行動を与えることである。一般的な分散的アジテーションは教育のない人々の心の中にはいり込んでいかない。しかし、もし諸君が、スローガンを選び、同じスローガンをくり返し語るならば、情勢に適合した教育の母であるくり返しは政治においても同様の働きをするであろう。自分がすでに判ったことは誰もが理解すると信じるのは、知識人だけでなく、労働者にも非常にしばしばあることなのである。しつようにくり返すこと、毎日、いたるところでくり返すことが必要である。これが、すなわち、同質的な印象を作り出すこと――これが綱領草案の任務なのである。
    一九三八年六月七日

          (社会主義労働者党『内部通報』一九三八年七月、第六号に発表)


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