(2)この論争のすれ違う根拠 麻生英人 - 07/2/15(木) 23:32

 私は、戸田さんの掲示板を一つのフィクショナルな「戸田式公共言説空間」だと理解しています。現実政治にリアルに対抗するための虚構・装置だと考えています。

 その前に、戸田さんの論争相手である、まっぺんさんや井上さんや黒目さんやdkさんなどは非常に論理的だと思います。自らが主張すべき点を過不足無く表現できる術を身につけておられるのでしょう。戸田さん陣営では草加さん。同様ですね。ただ、私などのように、思っていることが中々伝えきれない者には、自己の考えや自己のあり方はこうであると表現することは実に難しい。表現されたものがお前である、その思想性であると言われると、そうだなとは思いつつ、的確に表現する技術・訓練がないと、自己の考えやあり方が誤って理解される場合もある様な気がします。もっと言わせて貰えれば、人はすべてをあるがままには表現できない限界性を持つような気がするのです。この限界性を常に配慮していくこと(相手にも自分にも)が、大きな枠での左翼的(同志的)論争に必要なのではないでしょうか。

 さて、この掲示板のルールは、普通(左翼常識的)に読めば、非常に差別的で暴力的な内容となっています。そう、まっぺんさんの指摘される通りです。右翼的言葉を吐いただけで、人間性すべてを否定する対応はいかがなものかと。戸田個人の思い込みですべての対話を一方的に打ち切るのは独善にすぎないか。右翼的な言論を重ねると身元調査されるなんて、左翼であるならば、人権意識があるならば許されざる所業です。ひいては、ネットのアンチ左翼世論をより一層組織化する可能性大です。

 では、何故許容されているのか。一つは、戸田さんの強烈な個性による、いけいけどんどんという勢いでしょう。もう一つは、戸田さんの自身への自信なのでしょう。あるいは自らも一翼を担う連帯労組の組合活動に対する自信なのだと思います。戸田さんの日常活動において、困難な職場状況にある労働者・解雇された者・失業者等々、青年から高齢者、女性などの相談を幾つも受けてき、あるいは関与し、解決してきた経過があると思います。また、生コン・建設産業では、労使共に、在日韓国朝鮮人や被差別部落大衆や教育体制から排除された者たちが沢山いる環境です。やくざも元も含めて、たくさんいる環境です。そこで、いろいろ学んだり揉まれたりする。あるいはセメントメーカーが多国籍化する中で、日韓労働者連帯の中での多くの出会いがある。そして、門真市における市民との多種多様な関わりもある(だからといって、自動的に差別的でないと強弁するつもりで言及しているのではありません)。この背景の下で、政治的に「ファッショ」は何があっても許さないという政治的スタンスをネット世論の中で打ち出しているのです。確かに、一見すると差別的暴力的な表現を取るが、あれもこれも守りながら闘いは組めない、仁義無き闘いもOKだとその無頼振りを示すことが、政治的意味を有すると考えていると思います。

 だから、戸田さんの戸田批判への反論の定型は、「この人を見よ」とばかりに自らの活動を披瀝するのです。戸田さんの内心は、「現実の俺を見よ、言葉での正しさだけに依拠した批判ではなく、現実的に有効なる対応をせよ」と言っているのかもしれない。確かに、日常の戸田さんは、斬新なアイデアで有言実行し、こまめに活動し、差別を憎み、相談者の話に耳を傾け、議論で非があれば素直に謝ります。そうでないなら、ビックマウスだけで支援は続かない。

 しかし、戸田さんの掲示板の自己過信や差別性や暴力性を、一転して政治的対決姿勢をとる有意味な掲示板スタイルとして維持できたのは、戸田さんや連帯労組の存在であり、その活動であり、その「威信」性によるものと考えられます。つまり、この掲示板は方法論的にマッチョでいきますよ、この「暴力的」姿勢でのぞみます、そういう防衛体制を敷きますよ、しかし、本質は差別的でも暴力的でもないのですよ、間違わないでねと言っています。私には、そうした条件によるフィクショナルな「戸田式公共言説空間」だと理解しています。
 だから、戸田さんの本質が差別主義だから、こうした事態が発生しているというよりは、戸田さんがこの虚構性と「現実」との境目をよく理解していないことから来る行き違いのような気がします。自らの言動が、この場では「芸」であるという相対化が必要な気がします。こうした表現は、次ぎなる誤解を産むような気もしますが、事態解明の一助になればと願っています。
 別の面から言えば、政治は言葉であるとも言えますから、自らの真意と意図を明確に表現しておけばよいとも言えます。
 不充分ですが、まだまだ言わなければならない事があります。しかし、私の限定された訓練不足の表現力では、かえって戸田さんやまっぺんさんに何を見当外れなとお叱りを受けることになるかも知れません。ほんの少し時間を置きます。