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組織内女性差別問題の克服のために
STRUGGLS OF OLD TROTSKISTS


はじめに(組織内女性差別問題の発覚と経過)
まっぺん
1981年、三里塚現地において重要な任務についていた第四インター派のメンバーが、ある女性によって「強姦」の容疑で告発された。告発されたメンバーは現地でも組織内でも献身的活動家として信頼されていた人物であった。組織内部で調査の結果、告発内容は全く事実であることが判明した。しかも被害に遭った女性は多数におよぶこと、組織内ばかりでなく我々を信頼し現地に来たシンパにまで被害がおよんでいた事が判明した。また調査がすすむにつれてそのような行為にかかわった男性は他にもいた事がわかり、これを「ABCD問題」と呼ぶようになった。

さらに調査の結果、三里塚ばかりでなく全国の組織のいくつかの地域で類似の事件があったことが判明した。多くの場合、加害者はそれぞれの指導的位置にあるメンバーであり、その地位にあることによる“権威”をおのれの個人的欲望のために利用したのである事、同じく被害者に対しては、組織への彼女たちの忠誠心を利用していたのである事が明らかとなった。

これはもはや個人的な差別問題とはいえない。明らかに組織の“党”としての資質を問うべき問題であった。女性メンバーは団結して「男支配」状態にある組織に対して告発し糾弾をおこなった。それに対して組織の男たちはどのような対応をおこなったか。問題の本質を明らかにし組織そのものを切開することが問われていた。しかし男たちはこれに対して技術的に処理しようとし、あるいは誤った“組織防衛”の意識のもとに彼女たちの糾弾に圧力を加えようとするなどといった行為に終始した。その結果、女性たちの信頼を完全に失うにいたった。

組織はその内部で「男」と「女」とに分裂していた。やがて女性メンバーの全員が組織から去っていった。残った組織も組織のあり方や闘争方針などをめぐって分裂し、その際、失望した多くのメンバーも組織を去った。国際統一書記局でもこの問題が討議され、日本支部は支部としての権利をうしなった。決定内容は、日本支部の消滅、男性メンバー全員のインターナショナル除籍、女性メンバーについては希望者には権利を認める、というものであった。

支部組織分裂の原因はこの女性差別問題だけとはいえない。しかし、とりわけ第四インター派が影響力を急速に失った重大な原因であることは確かである。以上が第四インター派の組織内女性差別問題発覚から組織分裂までの簡単な経過である。まっぺんはこの問題が発覚した頃、別な理由からすでに組織を離れていた。この問題についての組織内での議論にも参加していない。したがって全ては後から聞いた事、読んだ事によるものであり、事実について誤認もあるかもしれない。その時には指摘してほしい。

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