●赤色土竜新聞もくじに戻る●

目次・解説
赤色土竜新聞第7号 2003.5.20

■「党」「前衛」について
蔵田批判論文への批評に応えて

 社会運動の新しい発展を考えてゆく時に、新左翼党派の内ゲバ問題を避けてとおることはできない。かつては日本にも広範な大衆的社会運動が存在していたが、それは新左翼系諸党派間の内ゲバを始めとする党派的引き回しによって大きな打撃を受け、それは運動を崩壊させる重大な一因となった。
 元反戦自衛官として中核派系反戦運動に関わってきた小西誠氏を中心に、様々な元・現党派や個人があつまり、内ゲバ問題についての研究が開始された。そしてその研究成果としてこれまで社会批評社から『検証内ゲバ』パート1・パート2が発刊された。また、それぞれ発刊を記念して2002年に第一回、2003年に第二回の記念シンポジウムが開催され、革マル派系学生やBUND幹部の方々をも含む多くの人々の出席によって活発な討議がなされ、意義ある会議となった。
 第二期内ゲバ研究会の成果として発刊された『検証内ゲバ』パート2には小林義也氏によるBUND批判が収められており、これに対してBUNDの前田浩喜氏から本の編集・出版責任者宛に「公開質問状」が送られた。第二期内ゲバ研究会会員の一人であった蔵田計成氏は、個人的資格においてこれへの回答論文を発表した。しかしその内容はそれまで共に研究し共に歩んできた成果をまったく踏みにじるものであり、到底許容できないものであったため、まっぺんは蔵田氏を批判する論文を書き、第二回内ゲバシンポジウム会場において配布した。この論文は現在「赤色もぐら新聞6号」として販売・公開されている。
 このまっぺんによる蔵田批判について、あるサイトにおいて疑問や批評が提起されていた。その批評に対して頷けるところもあり、また論文の問題点を再度整理して批判点をより明確にすることは他ならぬ自分のためであると考え、特に新左翼運動が誤ってきた「党」「前衛」の問題について整理するための文章を書いた。この小論文は先の蔵田氏への批判についてのまっぺんによる解説の意味もある。安保ブントとして活動してきた蔵田氏、それを受け継いで70年代安保闘争、新左翼運動に関わったまっぺんを含む多くの左翼党派人に欠けていたものが「党」「前衛」の概念への解釈にあったのではないかと思う。内ゲバについて考える時「党」「前衛」の問題は重要であると考える。

■荒岱介論文批判
批判の自由はほんとうに守られてきたか

 『検証内ゲバ』パート2のなかでBUNDを批判する小林論文に対してBUNDから機関紙「SENKI」1103号前田氏による反論が掲載された。またそれに対する蔵田計成氏の個人的回答文も1106号に掲載され、さらに4月6日の内ゲバシンポジウム当日には山根氏、五味氏、前田氏をはじめBUND幹部数名が出席し活発な討議が行われたのである。このシンポジウムの経過は新時代社「かけはし」1778号(4月28日号)にも掲載された。
 ところが奇妙なことに、シンポジウムの後、「内ゲバ」論争に対してあれほど力を入れてきたはずの「SENKI」には、その後、批判もシンポ報告もまったく掲載されていないのである。「SENKI」紙からはこの話題が突然ぱったりと消えてしまった。そして突然、荒岱介氏の「個人に解体する専制政治は無しだ」なる論文が1109号に掲載されたのである。内容を読めば分かるが、それはBUNDの前身たる共産同(ブント)において荒氏がいかに内ゲバとは無縁な地平から共同闘争をはるか昔から追求してきたかを力説し、共同行動についての原則の重要さを強調するものとなっている。
 これまでの議論の経過から考えても、この荒氏の論文が、シンポジウムにおける論争の経過のなかで追求された問題(BUNDが内ゲバ党派であるという批判)に対して正面から応えることができず、このような、一見『検証内ゲバ』やシンポジウムとはまったく無関係な地点から、党派としての体裁を取り繕い、あたかも自分たちが内ゲバ党派とは無縁であるかのように装おうとしているのは明らかである。この「批判の自由はほんとうに守られてきたか」はこのようなBUNDの不誠実な態度を批判するものであるとともに、荒岱介氏の強引な牽強付会を暴露する反論として書かれたものである。

■警察との会食問題について
会食問題と参加者への弾圧、主催者の態度について

 イラク戦争へ向かって米英が準備し、日本政府がこれに対する支持表明を明らかにする中で、広範な市民・労組による反戦運動「ワールドピースナウ」運動が人々の反戦の息吹を吸収して拡大していった。の中で関係者の一部が警察・公安関係者と一緒に会食したり忘年会に出席するなどの事態が発生し問題となった。またデモ参加者の逮捕に対して主催者側にその情報が正しく伝わらず、結果として主催者側からは何の救援措置もとられず放置されるという事件がおこった。デモや集会には常に警察からの逮捕や暴行など妨害の危険がある。そうした問題に対してどう対処していかなければならないのか、われわれの運動の後退と経験の断絶は深刻なものがある。そのため、運動の原則を分かりやすく提起する文章の必要性を痛感し、この文章を書いたものである。

●赤色土竜新聞もくじに戻る●

レッドモール党(第四インターナショナル・ファンクラブ)へ結集せよ

でも結集してもなんにもないけど