『国際主義』編集委員会サイトより転載
12月18日、革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)の元政治局員であり、『中核派民主派宣言』などを執筆してきた白井朗同志が中核派によって襲撃され、重傷を受け、入院したとのとても悲しい知らせを受けました。また、25日には、同じく元中核派で、破防法に反対し、また反住基ネット連絡会で先頭にたって活動しておられた角田富夫さんがテロ襲撃されたとのさらに信じがたい情報です。
人民解放戦線−スリランカ 日本委員会(JVP-JC)は、被害を受けたお2人はもとより、ご家族、ご親戚の皆様、ご友人の方々のご心痛を察し、心からお見舞いのご挨拶をおくります。私たちJVPに何かできることがあればお伝え下さい。一刻も早いご回復を祈りつつ、できることはなんでもご支援します。
私たちJVPは、1971年の武装蜂起の時点で数万人、1989年を前後してさらに多くの大虐殺を被ってきました。1人を除くすべての政治局員、大半のメンバー、支援者たち、そしてJVPと勝手にみなされた多くの無垢の市民たち10万の命が眠る血の海をわたってきました。
喜んでいるのは権力者、警察であり、中核派のテロ襲撃はこうした虐殺者の側に身を移すことではないでしょうか?
私たちJVPは、根絶やしのテロ襲撃から世界各地へ逃げ延び、今では17ヶ国に組織を建設し、本国でも急速に勢力を挽回してきました。そのような過程でも、たとえば数年前には本国から職業的なテロ部隊が送り込まれ、JVPの破壊を狙ってもっとも弱い名古屋のメンバー・支持者たちが襲撃されています。また、昨年には、ネット上でJVP粉砕が排外主義的に叫ばれもしました。
中核派のテロ襲撃はこうした卑劣な攻撃とどこが異なるといえるでしょうか?
白井朗同志は、とくに利き腕である右腕の脱臼がひどいと伺っています。執筆・言論活動の封殺を狙った意図的なテロルであることは明白です。また、被害者である白井朗同志宅ばかりか、無関係な反戦自衛官宅に警察の一斉のガサ入れが不当にもなされたと聞いています。今、イラクへのブッシュの戦争(国家テロル)が迫っているとき、テロ襲撃が果たした役割は、反戦平和などの広範な大衆的運動への妨害、弾圧に他なりません。
日本のみなさんが、言論圧殺・運動破壊のテロ襲撃を封じ、一掃するために、広範な抗議の声をあげ、なせるあらゆる努力をしていくものと信じます。
人権や民主主義などおかまいなしのテロ襲撃は、いかなるコミュニスト、左翼であれ正当化されえない非人間的で野蛮な犯罪です。テロの命令・指揮・実行とコミュニスト・左翼であることは深淵で隔てられており、両立などできません。すべての日本の左翼のみなさんが、テロ襲撃の抑止・根絶に努力を傾注し、そうすることで人々からの信頼を回復されんことを希望します。
何よりも中核派を信じて誠実でまじめに活動している中核派のみなさんに訴えます。
コミュニスト、つまりインターナショナリストとして、日本の、さらに狭い中核派の窓を越えて世界に広く目を開いてください。互いに「内ゲバ」的に殺し合い、テロ襲撃に酔いしれる左翼が今世界のどこにいるでしょうか?世界の鏡に自分の姿を映してみてください。「左翼」テロリストの実像を世界は飛び上がって驚愕し、なぜいまだにそんなむちゃくちゃをやっているのかと心底疑問を禁じ得ないでしょう。その驚きと疑問にたいしてどう誠意をもって応えられるのでしょうか?
中核派の誠実でまじめな活動家のみなさんこそが、他の誰よりも、テロの命令・指揮・実行をくい止める最大の力になりうるのだと考えて下さるよう願います。そんなことをすれば自分たちがテロ襲撃されると心配でしょうか?世界のどこであれ、コミュニスト・左翼たらんとする誰の胸の内にも、いざというときに人々のためになすべきことをなすほんとうの勇気が宿っているものと信じます。
今後の事態の進展いかんで、もしも日本のみなさんが必要とされ、その意義があるのであれば、私たちは、JVP日本委員会として、あるいはスリランカ本国と世界各地数万のJVP組織を代表して、前進社におもむき、中核派の政治局、指導部のみなさんにたいしてテロ襲撃を止めるよう働きかける用意があります。
最後に、すでに「内ゲバ」について日本のみなさんに書き送ったメッセージを転載しておきます。
「・・・「内ゲバ」という日本独特の問題について一言述べないわけにはいきません。日本では何十年もの間、組織どうしが相手を反革命だからといって殺しあって来ました。暴力をもてあそぶ行為は哀しむべきことです。考えても見てください。もしスリランカで同じことをしたらと。十万人殺されたから十万人殺し返すのですか?とんでもないことです。
JVPは、この間のはなはだしい不正選挙の中で、政府や与党議員の私兵・ギャング団あるいは警察によって、集会を襲撃され、選挙事務所を焼き討ちされ、選挙活動中の活動家を次々と銃殺・撲殺されてきました。JVPは、やられてもやられても、一切<やりかえす>ことをせず、大衆的なデモや抗議による反撃に徹したのでした。このような冷静で、規律ある振る舞いが人々の信頼を集め、選挙での勝利につながったのです。
「内ゲバ」というテロルに酔いしれるおかしな組織の存在は、左翼の弱さによるものです。まっとうな左翼がきちんと活動し、人々の支持を得て力を持っていけば、そのような堕落を一掃できるはずです。」(サマン・プリヤンカラ 人民解放戦線JVP(スリランカ)−日本委員会「国際的な左翼の交流・提携、反帝国主義闘争の前進のために JVP(スリランカ)の闘い−その歴史を教訓として 『共産主義運動年誌』第2号 2001年4月20日発行 pp.320)
2003年1月1日
人民解放戦線−スリランカ 日本委員会:JVP-JC
People's Liberation Front - Sri Lanka Japan Committee
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