[aml 31470] 言論を封殺する政治テロを弾劾します 富永さとる
元中核派幹部で、同派を離脱後、中核派を批判していた白井朗氏、角田富夫氏が相次いで襲撃され、負傷されました。
2氏が連続して襲撃されたことによって、この事件が2氏の言論活動に関わるものであって、その言論活動を妨害・封殺する意図からなされた政治テロであることは明らかです。
各種掲示板での情報によると、襲撃者は顔を隠さず襲撃を行っており、公安機関によるものと考えることは極めて困難です。
白井氏も角田氏も、中核派で重要な地位にいた当時の同派の内ゲバについて責任を免れるものではありませんが、しかしだからと言って、言論を封殺するための2氏に対する政治テロが許されるわけではありません。
いま私たちは、ブッシュ政権の先制攻撃戦略によって21世紀は再び、戦争とむきだしの侵略の世紀になってしまうかもしれないという瀬戸際に立っています。
反戦・非戦の大衆運動の高揚が何よりも求められ、人類と地球の未来を決定づけるこの局面で、再び内ゲバ・政治テロによって、オルタナティブ・ムーブメント、大衆運動が打撃を受けることがあってはなりません。
襲撃者は、客観的にはブッシュを利する行動をとったことを自覚しなければなりません。
かつて日本の60年代末叛乱−反安保・沖縄闘争は、連合赤軍事件と内ゲバによって大打撃を受けました。その後、これらに関わった党派だけでなく、反戦反安保をはじめとする運動全般が、数十年にわたって庶民大衆から不信感・嫌悪感をもたれつづけ、未だその打撃から完全には回復しきっていないことを見据えなくてはなりません。
また、私はこれらの退廃の背後には公安スパイが関わっていた可能性が少なくないと考えています。戦前の反戦運動がスパイMによって壊滅的な打撃を受けた教訓から私たちは学ばなくてはなりません。
スパイによって組織の方針が自滅的な方向に向けられようとしたとき、それを止められるかどうかは、実際に各種大衆運動を現場で闘い、現実の矛盾と現実の大衆と接している現場活動家たちが自分たちの意見を方針に反映させられるかどうかの民主主義の問題です。スパイを直接摘発できない場合でも、組織と運動が誤った方向に走ることを止められれば被害は少なくてすみます。
参照;伊藤晃『転向と天皇制』勁草書房
そのような問題意識から今回の事件を考えた時、この事件が宮崎学の公調スパイ問題と関連している可能性が否定しきれないことは、たいへん重大な意味を持っていると思います。 http://www1.jca.apc.org/aml/200212/31424.html (角田氏が襲撃される前日の投稿)
1度目は悲劇として、2度目は喜劇として――マルクスの言葉をひくまでもなく、私たちは、日本国内の反戦運動が権力に敗北した結果、アジア諸民族への侵略を止めることができなかった教訓を活かし、2度と同じ過ちを犯してはなりません。
以上のような立場から、私は白井氏、角田氏の言論を封殺することを目的とした今回の政治テロを断固として弾劾するものです。
大衆運動を政治テロとスパイによる破壊から守るため、多くの心ある方々が声をあげられることをお願いしたいと思います。
富永さとる
satoru@jca.apc.org
(2002年12月28日)
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