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共産主義とはなにか
赤色土竜新聞創刊号 2000.1.1

●共産主義ってなぁに?

共産主義とは「コミュニズム」を日本語に翻訳したものです。コミュニズムとは社会を「コミューン」つまり「共同体」としてつくりなおそうという運動です。だから「共産主義」をわかりやすく言い換えれば「共同体主義」ということ。ではどんな「共同体」をつくったらいいんでしょうか?

●資本主義社会は階級社会

 今の世の中は経済的には「資本主義」といわれています。つまり大きな資産や広い土地を所有する少数のお金持ちの人が、それを「資本」として企業をおこし、そこに資産をあまり持たない多くの人たちを「労働者」として雇い入れ、働かせて、その結果として利益を得るシステムです。こうして、多くの人々は経済への関わり方に応じて「ブルジョアジー」(資本家階級=生産手段を持っている人たち))と「プロレタリアート」(労働者階級=生産手段がなく賃労働をする人たち))との、ふたつの「階級」(および、その中間の階級)に分類されます。ほとんどどこの国でもこのシステムはかわりません。世界経済は基本的に資本主義経済によって動いているのです。

●階級社会は不公平な社会

 しかし、この経済の仕組みはつねに経済的に豊かな人と貧しい人とを作りだします。資本主義のシステムの中では「みんなが豊かになる」事は不可能です。常に、だれかが豊かになったために別の誰かが貧しくなる。そうのような経済の仕組みなのです。だから誰もが自分だけでも豊かになろうと経済的に競争をします。競争の仕方はいろいろあります。「一生懸命まじめに働けばきっと報われる」と信じて黙々と働く人もいます。「タイミングを見て、チャンスが来たら、じょうずに立ち回れば大金が手に入る」と考える人もいます。どちらの考えも資本主義社会ではある程度は通用しますが、いつも通用するとは限りません。一生懸命働いたのに会社が倒産することだってあります。また、タイミングを見誤って大損する人もいます。「真面目に働いたから必ず報われる」とは限らない社会、常に人を競争に駆り立て、勝者と敗者とに分類する社会、将来がどうなるのか不安な社会・・・・これが資本主義社会です。資本主義社会とは、いつも誰かが経済的な不幸を味わう社会なのです。

●資本主義社会は労働者を使い捨てる社会

 多くの人が会社に勤めています。会社は社員を働かせて利益をあげようとします。でも他企業との競争に負けたら利益が出ないばかりでなく、場合によっては会社が倒産するかもしれません。そこで会社は社員に重労働を強制します。でもたくさん働いても残業手当を払わず、それどころか、社会保険さえも払わない会社が増えてきています。労働条件はどんどん悪くなる一方です。文句をいっても「首になるよりマシだろー!」と会社はいいます。
 それでも会社は自分の都合だけで、社員にいろいろな理由をつけて解雇することがあります。まるで社員が会社を悪くしたかのようにいいます。そうやって会社の経営責任者は経営悪化の責任を社員になすりつけ、会社が生き残るためには社員を使い捨てるのです。「社員は会社の部品」「労働者は資本家のための消耗品」=これが資本主義社会の真のすがたなのです。

●資本主義社会は資本家による階級支配の社会

 現代世界は資本主義社会です。その資本主義社会では、資本家階級は労働者階級に対して経済的に有利な分だけ支配力を持っています。資本主義社会とは資本家階級が国家の権力を維持し労働者階級を支配している社会なのです。
 しかし「いや、労働者階級が政権を担当している国が資本主義の国にもあるぞ!」と言うひとがいるかもしれません。今、ヨーロッパなどで社会党(社会主義をめざす労働者の政党)が政権についている国々もたしかにあります。でも、この社会党は「労働者階級の政党」なのに、資本家階級のために便宜を図り、労働者階級の期待を裏切りつづけており、共産主義に向かう政策をなんにも実施してはいません。だから、これらの「社会党政権」の国々も実質的には資本家階級が支配しているのとちっともかわらないのです。

●共産社会は支配階級のない社会

 共産主義とは、この資本主義社会の欠点を取り除き、人々を経済的不安から解放し、「まじめに働いた人がちゃんと報われる」ような社会をめざす思想のことです。その手段として、これまでの資本主義社会にかわる新しい「コミューン」を作りだそうとするのです。そのコミューンでは、みんなが「労働者階級」となるのです。という事は「階級がなくなる」という事になります。だから不公平も取り除かれるし、経済的な理由による不幸はなくなります。また、労働を通じた、もっと豊かな人間関係が創出されます。

●新しいコミューンのために労働者は団結しよう!

 世の中を共産社会へとつくりかえていくには、まず労働者階級の政党がそれぞれの国の政権を獲得して「共産社会へ向かうための政策」をすすめていかなくてはなりません。つまり共産社会という「階級の無い社会」をつくるまでのあいだ、「労働者階級が支配する国」をつくらなければならないのです。そうして、資本家を管理しながら資本家が持つ生産手段を社会的共有財産として国有化し、労働者階級による共同管理のもとに生産活動のシステムを新しく創りあげます。そうすればやがて資本家階級はいらなくなり、資本家の人たちも労働者階級へと移行してゆくでしょう。こうして資本家階級は消滅してゆき、階級のない「共産社会」がやがて実現するのです。

●新しい共産主義運動が必要

 しかし社会党や社民党には、そのような共産社会をつくるつもりは無いようです。
また、ちかごろでは日本共産党も、共産社会をつくるよりも資本主義社会を改良すればいいと考えているようです。それに、なによりも資本家階級は、もしも「共産社会」が実現すると自分達の階級が消滅してしまうのですから「共産社会」というものをとても怖がっています。そこで「共産主義は悪いものだ」という宣伝を続けています。これでは共産社会は実現しません。
 共産社会を実現するためには、労働者階級が団結してこのような資本家階級による妨害をやめさせ、共産社会を本当に創ろうとする勢力によって政権を獲得し、共産主義へ向かう政策を実行してゆかなくてはなりません。そのためには、社会党・社民党にかわって共産社会実現をほんとうにめざす運動をつくってゆかなくてはなりません。「共産主義をめざす運動」にはいろいろあります。

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でも結集してもなんにもないけど