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なお、このテキストはTAMO2さんのご厚意により「国際共産趣味ネット」所蔵のデジタルテキストをHTML化したものであり、日本におけるその権利は大月書店にあります。現在、マルクス主義をはじめとする経済学の古典の文章は愛媛大学赤間道夫氏が主宰するDVP(Digital Volunteer Project)というボランティアによって精力的に電子化されており、TAMO2さんも当ボランティアのメンバーです。
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☆ 四 種々の反政府党にたいする共産主義者の立場

 既成の労働者政党にたいする共産主義者の関係、したがってイギリスのチャーティストや北アメリカの農業改革論者にたいする関係は、第二章によっておのずからあきらかである。
 共産主義者は労働者階級の直接当面する目的と利益とを達成するためにたたかうが、しかし、現在の運動のなかにあって、同時に運動の未来を代表する。フランスでは、共産主義者は、社会=民主党(*)と提携して、保守的および急進的ブルジョアジーとたたかう。しかしそれだからといって、〔フランス大〕革命の伝統からうまれる空語や幻想にたいして批判的な態度をとる権利をすてるものではない。
(*) そのころ議会ではルドリュ・ロラーンによって、文筆上ではルイ・ブランによって、日刊新聞では『レフォルム』紙によって代表されていた党。社会=民主党という名前は、そしてそれとともにその創始者たちは、多少とも社会主義の色あいのついた民主党または共和党の一部を意味していた。〔一八八八年英語版へのエンゲルスの注〕
 その当時フランスで社会=民主党と名のっていた党は、政治上はルドリュ・ロラーンによって、また文筆上はルイ・ブランによって代表される党であった。したがって、この党は、今日のドイツ社会民主党とは天地のへだたりがあった。〔一八九〇年ドイツ語版へのエンゲルスの注〕
 スイスでは、共産主義者は急進派〔35〕を支持するが、しかし、この党派が矛盾する諸要素から、すなわち一部はフランス流の民主主義的社会主義者から、一部は急進ブルジョアからなっていることを、見おとしはしない。
 ポーランド人のあいだでは、共産主義者は農業革命を民族解放の条件としている党派、すなわち一八四六年のクラカウの反乱〔36〕をおこした党派を、支持する。
 ドイツでは、共産党は、ブルジョアジーが革命的に行動するかぎり、ブルジョアジーと協力して絶対君主制、封建的土地所有、小町人とたたかう。
 しかし、共産党は、ブルジョアジーとプロレタリアートとの敵対についての、できるだけ明確な意識を労働者のうちにつくりだすことを、瞬時もおこたらない。それは、ブルジョアジーがその支配とともにかならずもたらさざるをえない社会的および政治的諸条件を、ドイツの労働者がただちに、そのまま武器としてブルジョアジーにむけることができ、こうしてドイツの反動的諸階級をたおしたのち、ただちに、ブルジョアジー自身にたいする闘争を開始するようにするためである。
 共産主義者はその主たる注意をドイツに集中する。それは、ドイツがブルジョア革命の前夜にあるからであり、しかもドイツは、一七世紀のイギリスや一八世紀のフランスよりも、いっそう進歩したヨーロッパ文明全般の条件のもとで、またはるかに発展したプロレタリアートによって、この変革を遂行するからであり、したがってドイツのブルジョア革命は、プロレタリア革命の直接の序曲となるほかないからである。
 一言でいえば、共産主義者は、いたるところで、現存の社会ならびに政治状態に反対するすべての革命運動を支持する。
 すべてこれらの運動において、共産主義者は、所有の問題を、それがどの程度に発展した形態をとっていようとも、運動の根本問題として強調する。
 最後に、共産主義者は、いたるところで、すべての国の民主主義的政党の提携と強調とに努力する。
 共産主義者は、自分の見解や意図をかくすことを恥とする。共産主義者は、彼らの目的は、既存の全社会組織を暴力的に転覆することによってのみ達成できることを、公然と宣言する。支配階級をして共産主義革命のまえに戦慄せしめよ! プロレタリアはこの革命によって鉄鎖のほかにうしなうなにものもない。彼らの得るものは全世界である。
 万国のプロレタリア団結せよ!

     一八四七年十二月―一八四八年一月にマルクス、エンゲルス執筆
     最初一八四八年二月にロンドンで出版
     文中《》内の語句はその後の版から挿入


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